【AI銘柄分析】3993 PKSHA Technology｜AI事業と収益性で評価

企業紹介

PKSHA Technologyは、AIアルゴリズムを開発し、企業向けにAIソリューションとAIを活用したSaaSを提供しています。主に企業の「顧客接点」や「社内業務」の自動化・高度化を支援しており、労働力不足という社会課題の解決に貢献しています。

AI銘柄分析レポート

はじめに

このレポートでは、PKSHA Technology（3993）の事業内容、財務状況、株価水準、成長ポテンシャル、リスク要因などを総合的に分析し、投資判断に役立つ情報を提供します。

収益性の評価

直近の決算では、売上総利益率が76.9%、営業利益率が20.0%、純利益率が13.1%と、高い収益性を維持しています。特に、AIを活用したSaaS事業はストック型収益モデルであり、継続的な売上と利益の安定性をもたらしています。

成長性の評価

過去5年間で売上高、営業利益、純利益ともに継続的に成長しています。特にAI SaaS事業の拡大が成長を牽引しており、その持続性が期待できます。

過去5年間の業績推移

決算期	売上高（百万円）	営業利益（百万円）	純利益（百万円）
2021年9月期	8,727	650	139
2022年9月期	11,509	1,565	836
2023年9月期	13,908	858	4
2024年9月期	16,893	3,148	2,100
2025年9月期（予）	20,000	3,350	2,600

財務健全性の評価

自己資本比率は75%以上と非常に高く、財務基盤は盤石です。流動比率も高く、短期的な支払能力にも問題はありません。借入金は少なく、キャッシュフローも安定しており、事業の継続性には懸念がないと言えます。

割安性・株価水準の評価

PERは40倍台、PBRは3倍台で推移しています。これは高い成長期待を反映した水準です。グローバルなAI関連銘柄と比較すると、既に黒字化している点を考慮すれば、過度に割高とは言えない妥当な水準だと考えられます。

事業リスクと対応策

主なリスクとして、AI分野における技術革新の速さ、国内外からの新たな競合企業の参入、そして優秀なAIエンジニアの確保が挙げられます。これらのリスクに対し、PKSHAは継続的な研究開発投資と人材育成に注力し、技術優位性の維持と差別化を図っています。

競争優位性の評価

PKSHA Technologyの最大の競争優位性は、独自のAIアルゴリズム技術と、多様な産業への導入実績に基づくデータの蓄積にあります。顧客の利用データがアルゴリズムの精度向上につながる「データの好循環」を生み出し、他社が容易に追随できない参入障壁（Moat）を形成しています。

最近の動向

直近の2025年9月期第3四半期決算は、売上収益と事業利益が大幅な増収増益となり、通期計画を超過する勢いであることが明らかになりました。これを受け、株価は一時的に急騰し、市場からの高い評価がうかがえます。

総合評価と投資判断

PKSHA Technologyは、明確な成長ドライバーと強固な競争優位性を持つ、キャピタルゲイン狙いの投資家にとって非常に魅力的な銘柄です。直近の好決算が成長の確実性を裏付けており、今後のさらなる株価上昇が期待できます。ポートフォリオの余力がある場合、組み入れを検討する価値がある銘柄だと思われます。

AI評価（結論）

★★★★★

管理人考察

AI分析の補足しておきたいポイント

新たなAIソリューションなどの新規事業やM&Aについて、
それが具体的な売上や利益にどの程度貢献しているか、
あるいは将来的にどの程度の規模に成長するかの具体的なデータの補完が必要です。

また、それぞれのリスクがどの程度業績に影響を及ぼす可能性があるのか、
それに対する企業の対応策が具体的にどの程度効果的であるのか、
リスク耐性についても深掘りしておきたいです。

総合評価

管理人注目度：★★★★★

株価水準は安いとは言い難い水準であるものの、
AISaaS事業の成長に代表される既存事業の伸びと、M&Aによる非連続な成長を併せ持ち、
安定高成長と大幅成長の両方を狙える、AI関連の中でも一際注目したい銘柄です。
株価は2025年6月から横ばいで過去の高値には及ばない水準にあり、
現時点では下値リスクも水準の割には限定的かもしれません。

尚、懸念事項として考えられるのは市場との対話姿勢です。
25年9月期第3四半期累計で最終利益が通期予想を超過したにも関わらず上方修正はなく、
これが保守的なだけのか、それとも投資や買収などに回すことを見越しているのか、
市場が上方修正を前提に株価を形成している可能性も踏まえ、
投資のタイミングは慎重な検討が必要そうです。